選挙と面接

そろそろ衆議院議員の選挙が行われるような雰囲気だ。この時期、普段あれほど居丈高な議員たちが打って変わってしおらしい態度をみせるのは、ひとえに彼らが「落選すれば、ただの人」だからだ。当たり前のことだけど、彼らが政治家という肩書きでいられるのは、当選するかどうかにかかっている。となれば、選挙活動とは議員という職を得るための就職活動であり、面接だ、ということに気付いた。
つまり、就活生が面接の際に自分の経歴を口八丁で並べ立て、いかに自分が組織にとって有用かアピールするのと、候補者が夢あふれる公約を箇条書きにし、選挙区を握手してまわるのは、就職活動という点で本質的に同じということだ。自分の場合でも、職を得るためなら人はなりふり構わず自分を飾り立てる、少なくともその必要がある、ということは就職活動を通して学べた。議員候補者たちだって多かれ少なかれそうだろう。そして、投票の際は元就活生が面接官に、センセイ方が就職志望者の立場になる。就職活動を経験した有権者は、厳しく候補者たちの選挙活動、つまり就職活動を採点し投票しなければならないということに改めて気付けるのではないだろうか。