魚の話

冬が終わり緑が芽吹き、そして魚とりの季節になった。今シーズンもナマズの稚魚を探しに「田園の小川」を中心に新しいポイントを開拓中だけど、未だにお目当てには遭遇できていない。
新たに出会った魚たちについて書く。
○ アブラボテ
田んぼの中を流れる小川のよどみをすくったときのメタリックブルーの輝きは忘れられない。これはもしかして珍しいタナゴかと思ったが、調べてみたらごく普通種のあのアブラボテだったので少しがっかり。とはいえ、アブラボテといえばこれまで水族館で見た中では茶色っぽい比較的地味な印象だったので、野生ではこんなに美しいのかと認識を新たにした。
婚姻色の出たオスは体側のメタリックブルーと尻びれの黒が美しい。
その後、ポイントを変えて同じような環境下で網を入れてみると、ほとんどどこでも出会うことができたのだった。しかし、一番初めに出会った、濁り水の中からすくい上げた、網の中で輝くあの鮮烈な印象は目に焼きついている。タナゴの美しさは水族館で見るだけではわからないと強くイメージ付けられた。野生のタナゴを知るとタナゴにはまる人が居るのもわかる。
○ ヤリタナゴ
「ごく普通種」ということではアブラボテを上回るメジャーなタナゴだけど、この地域では数は少ないようだ。
アブラボテと比べるとスマートな体型。水族館で見たときは尻びれの朱色が特徴だと思っていたけど、網で救い上げた瞬間のイメージでは胸から腹にかけての体側のメタリックな朱色だった。アブラボテと同じく、これまた既知のイメージを覆された。
○ ギギ
去年も出会っていたが、タナゴ達と同じ場所で5cmほどの稚魚を複数発見。去年の生まれだろうか。
稚魚は本当にキュート。色合い、ヒゲ、つぶらな瞳。子猫のようだ。
○ ナマズ
稚魚には出会えないが親魚にはあちこちで会う。
上から見るとヒゲの生えた頭にくねくねした尻尾がついているという印象。こっちに気づいていなければくねくねのほほんと泳いでいるが、気配を探知するとビューンと泳ぎ去ってしまう。
早く稚魚に出会いたいものだが…